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整骨院の施術費が認められるためには(連載第2回)

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4 医師の指示・同意があれば大丈夫?

(1)医師の指示がある場合

整骨院へ通院するケースでは、整骨院での施術を受けるように医師から「指示」を受けて、整骨院へ通院するということがあります。
このような場合、医行為に関する資格を持った医師が、治療方法の一つとして整骨院での施術を積極的に選択しているといえますので、通常、施術の必要性(前記3(1))や有効性(前記3(2))が認められることが多いと言えます。

ただし、医師の指示がある場合であっても、実際に整骨院で受けている施術が症状に照らして過剰な内容であったり、一般的な水準と比較して高額であったりするような場合には、必要かつ相当な治療行為として認められないことがあるため、注意が必要です。

(2)医師の同意がある場合

他方、医師が整骨院での施術を積極的に指示しているわけではないものの、整骨院で施術を受けることに「同意」している場合はどうでしょうか。
医師の同意は、「指示」とは異なり、整骨院での施術を治療方法として積極的に選択しているわけではありませんが、施術の必要性や有効性を窺わせる一つの事情ではあります。

ただし、単に同意をしているといっても、具体的な施術の内容などを把握した上で明示的に同意しているという場合もあれば、既に施術を受けている状況を黙認しているに過ぎないという場合もあります。
そのため、施術の必要性や有効性をどの程度基礎づけるかは、ケースバイケースであり、施術の必要性や有効性が認められないこともあるため、注意が必要です。

5 医師の指示・同意が無いので整骨院への通院は認められない?

上記のとおり、医師の指示や同意がある場合には、(程度の問題はあるものの)施術の必要性や有効性が認められやすい傾向にあります。

他方、医師の指示や同意が無ければ、およそ施術の必要性、有効性が認められないということではありません。
医師の指示や同意が無かったとしても、施術の必要性、有効性について、個別具体的に立証することができるのであれば、必要かつ相当な治療行為として認められる余地があります。

ただ実際には、医師の指示や同意が無い場合、このような立証を行うことは困難を伴うことも多く、認められるとしても施術費の一部だけにとどまることもあります。

例えば、大阪地裁昭和61年2月27日(交民集19巻1号261頁)では、整骨院での施術について医師の指示は無かったものの、裁判所は、鍼マッサージの施術が「疼痛症状をやわらげる治療法としては、相当の効果があった」として施術の有効性を認めましたが、事故と相当因果関係のある損害として認められたのは施術費の6分の1にとどまりました。

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