弁護士コラム『地味な作業を続けた結果』（弁護士 清水啓右）

弁護士 清水啓右

2023年は、長期にわたって対応してきた訴訟案件がいくつか解決に至りました。

中でも印象的だったのは、M&Aで買収した会社において法令違反があったとして、買主から表明保証違反に基づく損失補償請求が行われた事案です。

この事案では、M&Aで取得した株式は無価値であるとして、売主に対し、株式の対価として支払われた約2.5億円が損失として請求されました。表明保証違反によって生じた個別的な実損失が請求されるケースは裁判例上も多々ありますが、本件は株式自体が無価値であるとして争われた点に特徴がありました。5年以上に及ぶ長期戦になりましたが、粘り強く主張立証を行った結果、一審で勝訴判決を得た後、二審で勝訴的和解を勝ち取ることが出来ました。

関係者のヒアリングや資料の精査、裁判例や論文のリサーチ、そして、そこから得られた情報に基づく深い検討、地味ではありますがこうした基本的な作業を丹念に行ったことが良い結果に繋がったと感じています。

これからも、こうした地味な作業を愚直に続けてまいります。

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