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『月刊ISM』2013年4月号に当事務所に関する記事が掲載されました

月刊ISM2013年4月号に、事務所の新しい所員について紹介されました。

村松:昨年から元札幌地検検事正、公証人の経歴をお持ちの櫻井先生と弁護士としての活動をご一緒させて頂いておりますが、弁護士の仕事のやりがいと、現在取り組んでいることを教えて下さい。

櫻井:弁護士は、依頼者と同じ目線で聞く話の中から土俵を自分で決め、依頼者としてもっともよい選択肢は何かを求めるのに対し、検事は、決まっている土俵の中から真実は何か、とどうしても上から目線で関係者に接します。この立ち位置の違いを実感した私にとっては、弁護士の仕事には大いにやりがいがあると思っています。

公証人となって老人ホーム等の高齢者施設に仕事や講演をするうちに、高齢者が種々の懸念や問題意識を抱えており、相談しようと思っても施設の人に相談できず、また、家族等に相談しようとしても、家族や外とのきずなが希薄となって相談できずにいるうちに認知症となり、懸念や問題意識も雲散霧消となってしまう人が少なくないことに気づきました。このような高齢者・障害者を支えるものとしては、弁護士、司法書士、公認会計士等の法律専門家や介護福祉師や看護師等の看護・介護福祉の専門家が存在しますが、いずれも各専門部門に特化しており、身近に高齢者・障害者に寄り添ってトータルにサポートする組織は殆どないのが実情です。また、種々の公的保護の施策等が講じられつつある障害者も、個々の障害者にとっては、同じような問題を抱えていることも分かりました。

 そこで、村松法律事務所が中心となって高齢者・障害者の亡くなるまでの一生涯を、 ワンストップ且つトータルでサポートする組織の立ち上げを目指し、弁護士、公認会計士、司法書士、法科大学院教授、高齢者支援のNPO法人の役員、僧侶、コンサルタント等の専門家がチームを組んでその仕組みを検討した結果、一応の制度設計ができました。今、いよいよキックオフという段階に入っています。この組織は、①自分らしく活きるための取り組み ②生活支援 ③財産管理 ④後見 支援 ⑤エンディング支援 の五つの柱を立て、介護福祉団体、医療機関、福祉サービス関係企業、生涯教育や趣味サロン等を実践しているNPO法人、葬儀会社等と強固なネットワークを構築し、高齢者・障害者が亡くなるまでの一生涯をサポートするものです。

 その底に流れる思想は、高齢者を弱者とは看ず、長年、様々な経験を重ね、貴重な生き方のノウハウを培ってきた高齢者が、周りから尊敬され、生きがいを持ちながら、安心して人生の終焉を迎えられることが真の高齢者サポートになるということです。

村松:櫻井先生、ありがとうございました。吉田先生は、平成24年の春に北海道大学の民法の教授を退官され、現在は早稲田大学法科大学院の教授の傍ら、当事務所の弁護士として実務に関わっておられます。弁護士登録された理由とこれからどのような弁護士活動をしていきたいと思っておられるのか、お話しいただけませんか?

吉田:私は、現在でも現役の大学教師で、早稲田大学の法科大学院で教えているわけですが、北大時代に、村松先生にはいろいろお世話になり、実務との接点を作っていただきました。その過程で、法学研究を深めるためにも、実務の感覚を体得することがきわめて重要だということを痛感しました。また、いろいろ鑑定意見書を書く経験をしたり、札幌の交通事故紛争審査会で審査員をさせていただいたことも、実務的思考の重要性を感じさせられることでした。北大を退職することを契機に弁護士登録をしようと考えたのは、もう少しこのような経験を深めたいと考えたからです。

 という次第で、自分の研究の深化という観点が最初なのですが、村松先生とおつきあいする中で、研究成果を実際の事件の解決に活かすこともそれなりにあるな、とも感じました。そのような観点から、少しでも実務にもお役に立てればいいなと思っています。

 具体的な事件では、特にどの分野ということはないのですが、借地借家については、私のもともとの研究テーマですし、鑑定意見書などを通じてサブリースとのつきあいがありましたので、関心があります。また、交通事故も、先ほど申し上げましたように、札幌で紛争処理センターの審査員をしていた関係で、関心がある分野です。

 ともあれ、現在はまだ、早稲田での教育に慣れるのが精一杯で、札幌にもあまり帰れず、弁護士としての活動もほとんどできていません。まあ、慣らし運転というところでしょうか。これからは、早稲田も2年目に入って少し要領が分かってきましたので、村松事務所での活動ももう少しできるかなと期待しています。どうかよろしくお願いいたします。

村松:研究のほうはいかがですか。

吉田:研究のほうは、実務的では全くないのですが、現代における財の多様化に、民法理論がどのように対応すべきかを考えています。東大や慶應の先生方と研究会を作って、この課題に取り組んでいます。また、フランスの先生とも、この間、この課題で一緒に研究活動をしています。大きな課題で大変ですが、何とか具体的形にしたいと思っています。

村松:吉田先生、ありがとうございました。

それでは、北海道大学医学部名誉教授及び株式会社ジェネティックラボ取締役会長、NPO法人北海道腎病理センター理事長である吉木先生には、この度、当法律事務所の医療顧問に就任して頂けることになりました。これまでも何人か相談をさせて頂いており、先生には大変感謝しております。

吉木:村松先生とは、北海道の活性化を目指すNPO法人「タクティクス」の活動を通じて知り合いました。それまで僕は法律事務所とは特に縁がなく、行きたい場所ではないなと、そんな感じでいたのです。しかし、村松さんから医療事故とか、交通事故とか、いろんなことを聞かされているうちに、弁護士さんは案外医学のことや医療側の苦労を知らないな、これはしっかり教えてあげないといけないな、医者の立場として、そんな要求をしても無理があるなと思う事案もあったりして、色々相談に乗るようになったわけです。

 最初に相談に乗った事案が路肩に停止しているトラックの助手席に乗っていて、後ろからどーんとぶつけられて、寝られないし、外出も出来ない、電車も乗れないで苦しんでいる女性の例だったと思います。僕はPTSDだと直感したのですが、若い弁護士に治療はどうなっているの?と聞いたところ、主治医からこれ以上治療の方法がないと言われているので、損害賠償の話を進めることになると言うので、私は、弁護士はただ賠償金だけ取れば良い訳ではない、まず、その人が出来るだけ元の正常な生活に戻れる様に支援する事も大切なことではと説教したわけです。その方はその後、適切な治療を受けて正常の生活に復帰したと聞いています。つまり、通常、弁護士は病気からの回復には目を向けず、損害賠償の部分にのみ注力する傾向があると感じたわけです。病気からの解放を基本に患者さんをトータルの意味でサポートしてあげるシステムが必要ではないかと思ったわけです。

その後、色々と相談に乗るうちに、医学の面で僕がサポートしてあげられることが結構あるのではないかと思い、村松法律事務所の医療顧問として患者さんを支援したいという気持ちになったわけです。

村松:従来の法律事務所は、患者さんに対して損害賠償の話しか出来なかったんですね。今後は、損害賠償の前にその患者さんの健康のことを心配してあげなさい。本当にこれ以上治らないのか、治療の手段はないのか、まずそこを考えるところから始めなさい、という先生のご指摘は、弁護士と医師が相互に協力して、被害者の健康を取り戻すという新しい関係を作り出すことになると思います。

吉木:僕自身は法律事務所って今までどのようにやっていたのか知らないので、ただ最初にびっくりしたのが、病気は病気として置いておいて、訴訟のことだけやっていたと聞いていたので、そんなことをしては駄目だよ、まず病気を治すサポートも考えなさい、そこから相談に乗ることです。

村松:そこが法律事務所の一番大事にしなければならないところですね。

吉木:そう思いますよ。患者さんのために力を合わせてやりましょう。

村松:宜しくお願い致します。

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